所有不動産記録証明制度とは?相続時の不動産調査が大きく変わる新制度を解説
2026/09/23
相続時の不動産調査が大きく変わる新制度を解説
相続が発生した際、「亡くなった方がどこに不動産を所有していたのか分からない」という問題に直面するケースは少なくありません。
こうした課題を解決するため、2026年2月2日から「所有不動産記録証明制度」がスタートしました。
今回は、この新制度の概要やメリット、注意点について分かりやすく解説します。
目次
所有不動産記録証明制度とは?
所有不動産記録証明制度とは、特定の人物が登記名義人となっている不動産を、法務局が全国横断で検索し、一覧化した証明書として発行する制度です。
これまでは不動産登記が「物件ごと」に管理されていたため、相続人が被相続人の不動産を調査するには、
- 固定資産税の納税通知書を探す
- 権利証を確認する
- 市町村の名寄帳を取得する
といった方法しかありませんでした。
しかし、これらの資料が見つからなかったり、遠方の不動産を所有していたりすると、全ての不動産を把握することが困難でした。
そこで創設されたのが所有不動産記録証明制度です。
制度創設の背景
近年、日本全国で「所有者不明土地問題」が深刻化しています。
相続によって不動産を取得しても登記が行われず、所有者が分からなくなる土地が増加しています。
この問題を解決するため、
- 相続登記の義務化(2024年)
- 住所等変更登記の義務化
- 所有不動産記録証明制度(2026年)
などの制度整備が進められています。
誰が利用できるのか?
この制度を利用できるのは次の方です。
1. 本人
登記名義人本人が、自身の所有不動産を確認できます。
2. 相続人
亡くなった方の相続人が、不動産の調査のために利用できます。
3. 法人
法人自身や承継法人も利用可能です。
一方で、
- 債権者
- 不動産業者
- 第三者
が財産調査目的で利用することはできません。
制度を利用するメリット
相続財産の見落とし防止
被相続人が所有していた土地や建物を一覧で確認できるため、相続財産の漏れを防ぐことができます。
相続登記がスムーズになる
財産の全体像が明確になることで、遺産分割協議や相続登記の手続きが進めやすくなります。
遺言書作成にも役立つ
本人が所有不動産を把握できるため、より正確な遺言書作成にも活用できます。
法人の資産管理に活用できる
企業が保有する不動産の確認や、組織再編時の資産調査にも利用できます。
利用時の注意点
便利な制度ですが、万能ではありません。
検索漏れの可能性がある
検索は氏名や住所などを基に行われるため、
- 旧住所で登記されている
- 氏名変更が反映されていない
- 異体字が含まれる
場合は検索漏れが発生する可能性があります。
未登記建物は対象外
登記されていない建物は検索対象となりません。
古い紙登記簿の不動産も対象外の場合がある
電子化されていない登記情報については、検索結果に反映されない可能性があります。
今後期待されること
この制度は単なる相続支援制度ではありません。
今後、
- 登記情報
- 戸籍情報
- 住民票情報
- 固定資産税情報
- 地籍情報
- 都市計画情報
などの行政情報が連携することで、不動産手続きのさらなるデジタル化が期待されています。
将来的には、
- 相続手続きのオンライン完結
- ワンストップでの不動産情報取得
- 所有者不明土地の削減
といった実現も期待されています。
まとめ
2026年2月に開始された所有不動産記録証明制度は、相続人や所有者が全国の所有不動産を把握しやすくする画期的な制度です。
特に相続時には、不動産の見落とし防止や相続登記の円滑化に大きく役立ちます。
ただし、未登記建物や古い登記情報などは対象外となる場合もあるため、名寄帳や登記事項証明書などと併用しながら調査を進めることが重要です。
相続や不動産の名義変更についてお困りの方は、お気軽に株式会社sqcedまでご相談ください。専門家と連携しながら適切なサポートをご提案いたします。
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